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なぜサラリーマンはうつ病になってしまうのか

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

厚生労働省によれば、100人のうち3〜7人がうつ病を経験したことがあるとのこと。私の経験から言えば、かなりの割合でうつ病のサラリーマンは存在しますし、病気とまではいかなくても「うつ状態」にあるサラリーマンは遥かに多いように思われます。これは、なぜなのでしょうか。

1.過酷な労働

いわゆる「ブラック企業」に入ってしまった場合、これだけでメンタルが破壊される可能性はあります。食事や睡眠が十分に取れない状態が続くとなればもう、それだけで転職を検討した方が良いと思います。大企業でも情報管理や説明責任などの社会的な要請から社内の管理業務が増えていること、後述する人口ピラミッドの問題などで、優秀な若手に仕事は集中しています。

2.見えない将来

日本社会全体として右肩上がりの成長はもはや望めず、分配すべきパイは増えません。一方で、企業は高齢化しており、大勢の「先輩」が居座り若手が入ってこない中で、企業内の「人口ピラミッド」は歪んでいます。「頑張れば誰でも課長になれて、それなりの幸せが手に入る」という終身雇用モデルが崩壊しているのです。

実際、管理職になったらなったで、その「歪んだ人口ピラミッド」を支えないといけないので、むしろ状況は悪化します。上を見ても、「ああはなりたくないな」という悪い例しか見えないので、将来に対する希望を持ちにくくなります。将来に希望が見出せないことは、メンタルに大きなマイナスをもたらします。

3.人間関係

手元に信頼できる統計はありませんが、サラリーマン最大のリスクは間違いなくこれ、人間関係です。どんな過酷な環境でも、将来が見えなくても、周りの人間に恵まれていれば乗り切れます。それが、一人とんでもない上司が来るだけで、いとも簡単に心は壊されるものです。仕事の9割は人間関係であるとも言えます

1〜3に関しては、構造問題ですのでサラリーマンである限り、避けることはできません。ある意味、うつ状態までは仕方ないと言いますか。しかしその構造をもとに、うつ病を発症してしまうところまで追い込まれる原因としては以下の4と5があり、こちらは知識を身につけたり、意識を変えることで避けることができます

4.過剰な責任感

サラリーマンは、よほど意識の低い人を除き、「自分が抜けたら会社が困る、周りの人が困る」という責任感の元で仕事を頑張っています。立派なことですし、それで会社という組織は成り立っているのですが、こう言っては何ですが、勘違いというか幻想です。誰か一人が辞めて本当に困る会社なんて、ありません

それはあなたが辞めたら、少なくとも周りの人は、短期的には困るでしょう。しかし少し時間が経てば誰かが必ずカバーしますし、そのことで逆に会社としては成長できたりします。それが組織で働くことの良さであり、それを従業員であるあなたが過度に背負い込む必要はありません。

5.評価を気にする

サラリーマンがうつ病などのメンタル不調を抱え、逃げ場をなくしてしまう真の原因はこれです。うつ病だなんて言ったらキャリアが終わってしまうかもしれない。病気は短期的な問題だが、キャリアは長期的だ。我慢して、治ってしまえば問題ない。誰だって辛いんだ。こうやって、耐えようとしてしまうのです。

実際問題として、日本の大企業は一度マイナスが付いたら「敗者復活」がない人事制度ですから、どうしてもこういう思考になります。ある意味、その人にとっては合理的な思考なんです。私は、このことは「会社にしがみついて出世することが成功」という一本道だけでなく、何か代替ルート(オルタナティブ)を持つことで会社への依存を減らし、回避するしかないのかなと思います。

起業家や経営者にもメンタル不調は多い

読者の方は私が「だから起業をしましょう」と言うかと予想されたかと思いますが、実は起業家にもうつ病をはじめとするメンタル不調者も多いのです。何かの本には、起業家の4人に3人が何らかのメンタル不調を抱えていると書いてあったので、割合からすればむしろ圧倒的(!)です。

だから、うつ病になるくらいなら起業しましょう、あるいメンタル不調になってしまったら起業をしましょう、とは決して私は言いません。起業が原因でうつ病になる人も大勢います。どちらの選択肢がより良いか、ではなくて、自分に合うか合わないかで判断しないと、むしろ危険が増す可能性があります。

「うつ病でサラリーマンを辞めて起業し、成功しました」なんていう成功談には決して惑わされないで下さい。それは、その人がどうしても会社を辞めるしか選択肢がなくて、仕方なく起業を選んだだけのこと。成功するのも、失敗するのもたまたまです。とても胸を張ってお勧めできることではありません。

それでも、いざとなったら逃げた方が良い

病気になるといざというときの冷静な判断はできなくなるのはわかっていますが、それでも「会社を辞めたら生きていけない」という思い込みは捨てた方が良いと思います。自殺するくらいなら、変な責任感は不要ですから、逃げて下さい。会社なんて、ただのハコにしか過ぎないということは、ぜひ知っておいて下さい。

会社を辞めても生きていけるだけのスキルやマインドセットを身につけることは、うつ病に対する効果的な予防になると考えます。「最後の手段」として、辞めても生きていけるというカードを持っておきましょう。その上で、いざメンタルに不調を感じたら、そのことをきちんと会社に伝えて、然るべき保護を受けて下さい。

退職は最後のカードですから、簡単に会社を辞めちゃだめです。会社は、メンタル不調を理由として一方的に従業員を解雇できませんから、しがみつきましょう。会社よりも自分が大事。この場合、潔さなんて不要です。まずは休んで、メールでも構わないので会社に連絡をして、誰か相談できる人を見つけましょう。公的機関を使ってみるのも良いかもしれません。税金を払っているのですから、胸を張って活用して良いでしょう。

ということで、うつ病の人には起業は全くお勧めしません。起業をすれば誰もが健康で幸せな生活ができるわけでもありません。しかしサラリーマンは様々なリスクに対応する備えとして、起業の勉強をしておいた方が良いかもしれない、と私は主張します。いざというとき、知識は力になりますから。それでは、また。

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