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起業は「自由になる恐怖」との戦いなのではないか

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

最近は「バズる」快感を覚えてしまったのでやや記事が「狙い過ぎ」の傾向があったため、少し落ち着いたことも書こうかと思います。自由になるために起業をしたはずなのですが、自由というのはこれはこれで、怖いものだなあというお話です。

時間のある恐怖

起業をしてもうすぐ2ヶ月になろうとしていますが、サラリーマン時代と比較すると、正直まだまだそんなに忙しくはありません。終電まで仕事をしていたりはしますが、午前中はジムに行っていたりします。〆切まで1時間、みたいな作業を抱えていることも殆どありません。

それで気付いたのが、例えばぽっかり丸一日何もしなくても良い時間ができたりすると、そこはかとない恐怖を感じるということです。何だか、自分が駄目になっていくような、会社の方向性が間違っているのではないかというような、どれもピタリとはきませんが、恐怖に似たものを感じます。

頭ではわかっています。3年は仕事が無くても問題の無い状態を整えて起業をしているのであり、口に糊するための仕事は受けないと決めていますし、見かけだけ忙しくて付加価値の低い作業は最低だ、戦略が正しければヒマになるはずだということも。全て、想定通りに進んでいるに過ぎないのですが。

何をやっても良い怖さ

そもそも戦略が正しいかどうかについて、全責任が自分にあるんですよね。10年後、30年後までビジョンは明確に見えているつもりですが、そんなの実は幻想かもしれないじゃないですか(笑)。わかったような顔をして他の人の会社までコンサルして、全部が間違っていたという時の取り返しの付かなさといったら。

一人の会社なので、明日から八百屋をやろうと思えばできますし、プロ野球選手を目指すことも可能です。目指すだけなら。コンビニでバイトをするという選択肢だってある。時給千円のバイトで予定を埋めれば、ちょっと安心するでしょう。でもそれって、長い目で見たら自滅なんですよね。

会社を辞めて起業をした以上、正しいリスクを目一杯、取った方が勝率は上がります。一点に集中して突破する。中途半端が一番良くない。怖がらずにリスクを取るために、経済的な基盤を作ってきたのだ。わかっていても、徹底できるかは案外、難しいものだと実感しています。

自由からの逃走

エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』という本があって、いやまあ私はそれほどちゃんと読んでいないわけですが、でもこの本のタイトルって強烈なインパクトがありますよね。自由の意味を取り違えた国民がナチスの暴走を生んだ、みたいな話だったと思いますが、自由も使い方を誤ると毒になるという。

「小人閑居して不善をなす」じゃないですけど、駄目な人間は自由とかヒマとかがあっても、バカなことしかしないという。自分はある種の自由を得たのですけれども、これを使いこなすには相当な人間力が必要だぞということに気付かされるわけですよ。それって、かなり怖いことなんですよね。

もちろん、それなりに自信があるから起業をしたんですよ。自分にはそれなりに能力があって、恐らくは正しい方向に、自分や会社や家族を持っていけると。でもやっぱりそれも、とんでもない過信だったらどうしようかと、下手に時間があるとそういうしょうもないことを考えます。忙しい方が、確実に悩まなくて済みますね。

奴隷の幸せ

私は「全ての人が自分の頭で考えて、自由で好奇心あふれる生き方ができる世界を創る」ことをミッションとしており、これは多分にサラリーマンの起業を意識しています。人生計画書も起業の要素が強いです。極端な言い方をするとサラリーマンは奴隷であり、彼らを解放すること、人が自由になることに重きを置いているんですよね。

ただ一方で、奴隷の幸せ・奴隷の喜びというのもあるかもしれないと思います。人から指示をされ、長い時間拘束されて忙しくしている方が、余計なことを考えなくて良い。人によっては楽しいとすら感じるかもしれません。そもそもサラリーマンと奴隷は違いますから、高い給料も貰えますし、余暇は自由にできますしね。

価値観はそれぞれなので、自分の価値観を押し付けないように最大限、気をつけないといけないですね。サラリーマンは駄目、起業家は最高!と言い切ってしまえばビジネス的にはわかりやすいかもしれませんが、少なくとも誠実なやり方ではないですね。そうであれば、そのやり方では長期的な成功は望めないでしょう。

そんなわけで、「とにかくやたら楽しい」という時期を経て、今は少し落ち着いて周りの景色を眺めることができるようになってきました。それでも、サラリーマンを続けていれば良かったとは全く思いません。私はやはり、こちらの世界の方が水に合っているということを確信しています。

それでも、たまに怖くなることがあるんですよと。今回はそういうお話でした。オチは特にありません。それでは、また。

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