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会社を辞めるときの注意点 〜発つ鳥は、どこまで跡を濁さずに飛び立てるのか〜

夢とお金の専門家、シナジーブレインの安田 修です。

私は今年の3月に、15年間勤めた日本生命を辞めて起業をしたわけですが、会社を辞めたときの様子を、後に続くかもしれない人のために、参考として纏めておきましょう。

自分が抜けて、この職場は回るのか

長年お世話になった会社を退職するに際して、できるだけ迷惑を掛けない形で去ろうと考えていました。部門のエース級の人材()が抜けるわけですから、その穴は大きいでしょうと。通常、期中に誰かが抜けるとその年度は人員の補充がないので、人事異動が纏めて行われる期末に合わせて辞めるということにしました。

念には念を入れ、半年くらい前に直属の上司には辞意を伝えました。会社を辞める理由は「起業が夢だから」。人が夢を理由に行動したとき、他人はそれを止めることができません。タイミングとしても、大きなプロジェクトが終わり、優秀な後輩が入ってきて、自分も異動になってもおかしくないときで、完璧でした。

結果から言うと、実はこの後輩が私とほぼ同じタイミングで、全く別の理由で辞めることになってしまいました。「終わったな、こりゃ」と思いましたが、その後は後任が来てつつがなく回っています。自分が抜けたら周りの人が困るというのはとても人間らしい配慮ですが、大部分は思い上がり。幻想です(笑)。

退職金は当てにならない

一応、このことも触れておきます。勤続15年程度で自己都合で辞めていく場合には、退職金はほとんど期待できません。給与規定を見れば計算式が書いてあるのですが、「いくらなんでもこんなに少ないはずがない」という金額が、ほぼシミュレーションどおりに振り込まれてきます。結構、ショックですよ。

有給取得を巡る争い

退職を決めたとき、今まで社畜としてろくに使いもしなかった有給が60日残っていました。全部使うと、12月中旬には有給消化に入る計算になります。起業準備もあるので、休みは貴重です。とは言えさすがに全部というのは申し訳ないので、2月末から有給取得くらいが落としどころかなと考え、交渉したところ・・・。

「有給は多少使っても良いが、最終日まで出てこい」との上司のお達し。「起業の準備など、辞めてからゆっくりやれば良い」などの問題発言もあり、相当揉めました。こっちも感情的になり、「法律上は60日間、当然に行使できる」などと最後の切り札をちらつかせる始末。結果としては、2月末で落ち着きました。

「男の意地」とか言いながら本当に最終日まで仕事をやり切り、残業までして去っていく人もいますが、発つ鳥跡を濁さずっていうのはそういうことじゃないと思います。残った仕事とこれからの人生、どちらが大切なのか良く考えましょう。2週間の休暇を貰って家族旅行、くらいが譲れるぎりぎりじゃないでしょうか。

あれ?送別会、無いんだ?

そうやって揉めたから、ということもあるのでしょうが、公式の送別会の類いが一切無かったのはちょっと引きました。別にライバル会社に転職したわけでも、悪いことをして懲戒免職になったわけでも何でも無くて、「夢を負う」という極めて前向きな理由の退社であるにも関わらず。しかもエース級の(略)。

15年勤めて、お世話になった人も多いのでこちらは勝手に部門や会社に愛着を持っていましたが、まあ辞めるときはこんなもんですよ。別に石もって追われるわけではないですが、無関心そのものです。夕礼で挨拶くらいするだろうと思っていましたが、それすらなし。ほぼ完全なフェードアウトですよ。

独立後に会社から仕事を貰えるのか

あと良く聞く話として、独立後に仕事を貰えることもあるから、円満退職するべしと。これも、私の場合はちょっと考えにくいです。設立したての零細企業が仕事を受けるには、会社がでかすぎるということもあります。特に、本部だと厳しいですね。ムダな喧嘩はしない方が良いですが、期待しすぎない方が良いと思います。

感覚的には、「職場」とか「会社」というハコとは、辞めてしまえば関係がなくなります。ただ、そこにいた「人」とは繋がり続けるので、それだけは大切にしておいた方が良いですね。仕事になることもありますが、単純に友人として貴重な繋がりは、思うよりたくさんあるものです。

結論として

要するに、「できるだけ迷惑を掛けないように辞めよう」というのは、会社から見るとあまり意味の無い気遣いだったようです。会社の本音は「だったら辞めるなよ」ということであり、「辞めるならさっさと辞めろ、代わりはいくらでもいる」ということなんです。跡を濁さずは、単なる自己満足なのかもしれません。

それでも、「最終日まで残業をしていた自分」に自己満足を覚えるのであれば、止めはしません。自己満足は、つまり自分にとっての満足ということなので。私は今は、当たり前のように有給休暇を60日取って、がっつり起業準備をしておいたら良かったなあと思います。ご参考まで。それでは、また。