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ギャンブルとゲームの違い

夢とお金の専門家。シナジーブレインの安田 修です。

もう1年以上前になりますが、1週間ほど休みを取ってラスベガスに行ってきたことがあります。その時にスロットマシンに米ドルを食わせながら「ギャンブルとゲームの違い」について考えたので、今更書きます。

ギャンブルとは何か?

ギャンブルとゲームの違いとは何でしょうか。

同じじゃないの、と仰る人もいそうですね。私は、違うと思います。少し不思議な体験なのですが、スロットマシンに米ドルを食わせながら(やってみるとわかりますが、投入とかベットするというよりも、食べさせるという感覚がぴったりきます)、「自分はゲームは好きだが、ギャンブルは好きではない!」と確信したんです。

自分としては、それまではギャンブルが好きだと思っていたんですよ。麻雀もしますし、株とか不動産への投資も好きですし。でも、スロットマシンをやってもルーレットをやっても少しも熱くならない。むしろ、「確率論に支配された世界で、長くやったら勝てるわけが無い」と頭の芯と心が冷えきっていく感覚を体験しました。

そこで考えたのですが、ギャンブルにおいては自分の選択には何の付加価値も無く、単に運が良いか悪いかだけで全てが決まる。そういうものに私は興味が無いことに気付いたんですね。自分の頭で考えて、合理的な選択をした結果、勝てる確率が高まるような頭脳戦、すなわちそれがゲームなわけですが、そういうものにこそ興味があるのだと。

そう考えてみると、「ギャンブルの王様」と言われるバカラも、「ギャンブルの女王」と呼ばれるルーレットも、純粋に運賦天賦で勝敗が決まります。純粋なギャンブルであるからこそ、王様であり女王なんですね。一方で、ブラックジャックなんかはギャンブルとしては邪道です。テクニック次第で勝率が変わるからです。

ギャンブルが好きで、バカラやルーレットをやっている人からすれば、必勝法というかその場その場での最適解のようなものがあると信じてやっているのかもしれませんが、端から見れば単純に確率に支配されているだけです。で、胴元であるカジノは始めから大きな控除率を設定していますから、ギャンブル狂いは結局、長くやって、負けていきます。

 ゲームとは何か?

では、純粋なゲームは何があるでしょうか。将棋やチェス、オセロなんかがそうでしょうね。運の要素が入り込む余地がない頭脳戦、それが純粋なゲームだと私は思います。もちろん、対戦相手がたまたま体調が悪いとか、うっかりミスをするとか、奇跡的に良い手を思いつくとか運とも言える要素はあるかもしれませんが、純粋な頭脳戦には違いありません。

思い起こせば、私は小学生の時に将棋にどっぷりとはまっていました。家で一人で駒を並べて、長いこと将棋盤に向かっていましたから結構重症です。囲いを覚え、定跡と呼ばれる実績のある打ち方を覚え、実践を経験しては反省し、少しずつ確実に強くなっていく。将棋は非常に完成度の高い、世界に誇れる素晴らしいゲームだと思います。

将棋に比べるとオセロやチェスはちょっと、単純すぎるんですよね。コンピューターならほぼ、必勝法というものを編み出せてしまうレベルです。もっとも、最近では将棋のトッププロがスーパーコンピューターに敗れたりしていますから、将棋にも必勝法があるのかもしれませんが。できるだけ複雑で、必勝法の無いゲームが良くできたゲームだと言えるでしょう。

麻雀はどうでしょう。これは、ゲームの要素とギャンブルの要素がミックスされています。ゲーム7:ギャンブル3くらいでしょうか。ある程度熟達すると、初心者にはまず負けませんが、レベルが近いと必ずしもうまい方が勝つというわけではありません。これはこれで、完成されたゲーム(&ギャンブル)の一つの理想型と言えるでしょう。

先ほど触れた、ブラックジャックなんかもミックス型ですね。株や不動産もそうでしょう。私が「自分はギャンブルが好きなんだ」と錯覚していたのは、これらミックス型のゲームの要素が好きであるにも関わらず、良く考えもせずにそれがギャンブルだと思っていたからだということがわかったわけです。

 ビジネスはギャンブルなのか?

で、何が言いたいかというと、ビジネスというのはゲームなのかギャンブルなのかというと、ミックス型なんじゃないかということです。

ベンチャービジネスなんかを立ち上げると世間からはギャンブルだと思われるかもしれませんが、少なくとも優れたベンチャーは、ゲームの要素が高いと思います。ゲーム8:ギャンブル2くらいじゃないでしょうか。逆に言えば、そうじゃないと成功は覚束ないと思います。

最初からゲーム3:ギャンブル7くらいで起業をしてしまうと、あっさり初戦で負けてしまうこともありますし、恐ろしいことにビジネスは繰り返しゲームですので、今年はたまたま運が良くて勝てたとしても、来年には退場してしまうことになるでしょう。10年保つ確率は、非常に低いものになってしまうでしょう。

最初から運任せではだめです。世の中が求めていると確信できる商品を、失敗するはずがないタイミングで投入していく。成功して当然と確信してから大胆に動く。ベンチャービジネスというのは、そういうゲームなのだと思います。それでも、ギャンブルの要素はゼロにはならない、ということなんですね。

孫子が言うところの、「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め」るというのは、そういうことです。8割のゲームの部分、つまり頭脳戦で勝利した後に、2割のギャンブルに臨めということですね。この点、戦争もビジネスも同じです。

以上のことを心して、考えに考え抜いてから、飛び込んでいきましょう。ちなみに、サラリーマンとして出世をしようと思ったら、ゲーム5:ギャンブル5くらいでしょうか(笑)。それでは、また。